onoshin blog

メンタルにまつわる自己理解について

好きな場所で、自由に働く

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ノマドライフ』

なんと2012年に出版された本です。

まさに今のコロナ禍を予見していたかのような、時代が追いついてきた印象です。

好きな場所に住んで、自由に好きな仕事をする。

あこがれですよね。
でもお金がないと無理だよなぁと思いますが、

その生き方を選ぶかどうか
なのですね。

「必ずしもオフィスで働く必要はない」
「住む場所は1ヶ所と決めなくてもいい」
「ひとつの会社組織にしばられなくてもいい」

あとは自分でそれを選ぶか選ばないかだけなのです。

どこでも仕事ができる

といっても、
カフェでパソコン一台で作業する
というような単純な話しではありません。

どこでもビジネスができる。
どこにいても自分の力でお金を稼ぐことができること。複数の拠点を持ち、移動しながらその土地でしか得られないものをビジネスに活かしたり、
好きな場所に身を置くことで生まれるクリエイティブな発想。

自分にとって快適な場所で、時間に縛られない生き方そのもの。

それがノマドライフ。

地方出身長男の宿命

地方出身者のあるあるなんですが、
「実家どうする問題」というのがありまして、
いつかは帰らなければいけないのか?
と思うわけです。

実家の家族もいつまでも元気でいるわけではないので、介護やら家はどうする?やら、色々向き合わなければいけない時が来るのです。

その時に仕事はどうするの?
地元に帰っても仕事あるの?

という問題がどうしても迫ってきます。

それを見越して最初から地元に留まる人もいます。長男だから家を継がなければいけない。
とか18や20の若者が考えるんですよ。

「あー、あのとき東京行ってたらどうなってたかな?」

と思いたくなかったので東京に来ました。

地元に戻るというと、夢をあきらめて地元に帰るというイメージもありましたが、

これからは

どこでも仕事ができるスキルを身に付けて地元に戻ることもできます。

地元でもどこでも好きなことができる

それが可能な時代なのではないでしょうか。

親の気持ち

実家を出てからの時間の方が長くなりました。
自分も親になり、子供に対する親の気持ちとはどんなものか。

正直なところは、いつでも会えるぐらい近くにいてほしいと思っているはずです。

自分は息子に対してどう思うかなと考えると、

好きな場所で好きなことをやればいいと素直に思います。ただ、いつかはママ(妻)の近くにいてほしいなと思ってしまいますね。

自分の父もきっとそんな気持ちなんだろう。

と想像できる歳に自分もなったということですね。

私にとってのノマドライフは
必ずしも自分のためだけではないのだなと。

好きな場所で自由に働くことができれば、
「実家どうする問題」も解決です。

ハワイと日本のデュアルライフも良いなぁ
という一方で、

そんなことも考えてしまいました。

心理的安全性が高いチームはぬるいのか?

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「何でもざっくばらんに言ってください」

会議などで上司がよく言いますよね。

そんな時は頭をグルグル回転させて、
沈黙にならないように、かつ核心を突きすぎない
ちょうどいいラインの発言をします笑

鋭く切り込むよりは、場の空気をなごませることを意識してしまいます。


ちなみに「ざっくばらん」とは

心の中をさらけ出して隠しごとをしない様子のこと。遠慮がないさま。

(何語なんでしょう?語源や死語なのかもわかりませんし、私は使いません)


Googleのリサーチチームの発表により注目されている
心理的安全性」という言葉があります。

最近よく耳にしますね。

ベストセラーとなった本
心理的安全性のつくりかた』を読んでみました。

【目次】

心理的安全性とは?


「一人ひとりが恐怖や不安を感じることなく安心して発言・行動できる状態」

心理的安全性が高いチームは離職率が低く、収益性が高い」


冒頭の上司の発言に対する私の考えかたは
心理的安全性が低いといえます。

恐怖を感じていますからね笑


しかしながら、「なんでも意見を言ってよ」
と言いたい気持ちはわかります。

意見を聞き入れて採用するかはさておき、
上司としてはこんな気持ちだと思います。

  • いろいろなアイデアが欲しい
  • 社員の不満を解消したい
  • 社員の考えを理解したい
  • 自分が気づかない点を指摘してほしい
  • 器の大きい上司でありたい


要するに

より良い職場にしたいと思っているのです。


であれば、
上司に勝ちたいとか
不満をぶつけるとか
自分が認められたい
ではなく、

「より良くするために協力する」
という考えが部下に生まれたほうが良いですよね。


私の上司は失敗していますね笑
ではどうすればいいのでしょうか?

心理的安全性が低いとどうなる?

対人関係のリスク

心理的安全性が低いとは、対人関係のリスクが高いといえます。

「反対意見を言ったら嫌われるかな」
「わからないと言ったら怒られるかな」
「間違っているけど指摘できないな」

上司や先輩に対して思ったことはありませんか?

  • 「無知」だと思われなくない→必要なことも質問せず、相談しない
  • 「無能」だと思われなくない→ミスを隠したり、自分の考えを言わない
  • 「邪魔」だと思われなくない→助けを求めず、不十分でも妥協する
  • 「否定的」だと思われなくない→議論せず、率直に意見を言わない

対人関係のリスクに怯えるような職場は、
心理的「非」安全な職場となります。

このチームのメンバーは、
チームの成果や貢献のために必要な行動をしなくなるのです。

キツい職場

わかりやすいのは上司が厳しい職場ですね。

キツい職場
・上司の思い通りに動かず怒鳴られる
・良かれと思って行動しても罰を受ける
・意見を言っても否定される

このような状態だと、
怒られたくない
ペナルティを受けたくない
と思いますよね。

部下はリスクを避けるために働くようになります。

厳しい指導により仕事の基準は高いので、
成果は上がるかもしれません。
これは昔ながらのマネジメントスタイルで、
仕事の基準は高いが、
心理的安全性は低い。
いわゆる「キツい職場」になります。

一見「士気」は高く見えますが、
やらないと怒られるからやっているだけ。
上司に怒られないための「上司対策」に時間が使われているだけです。
これではメンバーのポテンシャルを活かすマネジメントにはなりません。

サムい職場

もうひとつ、心理的安全性が低いとされるのが
「サムい職場」です。

サムい職場
良かれと思って行動したり、意見を言ったりしても、それが反対意見だと怒られたり罰を受けたりする。

そのリスクを冒してまで他者と積極的に関わる必要がないと考え、
お互いが無関心で自分の仕事だけを淡々と行う、サムい職場となります。

事なかれ主義で意見の対立はないので、
一見平和にみえます。
一方で、
自分の強みを活かして成果を出そうとしません。
弱みを隠すことに注力し、
必要な意見を言わないので、
言われたこと以上の仕事はしなくなります。

これでは心理的安全性も低いうえに、
仕事の基準も低いので成果も上がりません。

心理的安全性を高めるには?

日本の組織における心理的安全性を感じる要素
として、4つの因子があります。

4つの因子
①話しやすさ→「意見を言っても大丈夫」
②助け合い→「質問しても大丈夫」
③挑戦→「失敗・間違いを認めても大丈夫」
④新奇歓迎→「自分らしくいて大丈夫」

①話しやすさ
4つの中で最も重要かつ、
他の3つの心理的安全性の土台となります。
やっぱり話しやすい上司がいいですよね。

  • 反対意見を言うことができる
  • 問題やリスクに気づいた時に声を上げられる
  • わからないことを素直に質問できる
  • ネガティブな報告も隠さず事実として上げられる

誰もが話しやすく率直に発言できる職場は、
心理的安全性が高い職場です。

②助け合い
トラブルに対応する時や、
より成果を上げることを目指す時に
重要な要素です。

  • 問題が起きた時、人を責めるのではなく建設的に解決策を考える雰囲気がある
  • リーダーやメンバーはいつでも相談にのってくれる
  • チームが減点主義ではなく、加点主義

個人が責められたり、
一人でなんとかするのではなく、
助け合えるチームであれば
どんなトラブルにも対応できます。

③挑戦
挑戦はチームに活気を与えます。
新しいことを模索し、時代の変化に合わせて変えていくために重要な要素です。

  • 挑戦することが損ではなく、得なことだと思える
  • 前例や実績がないものでも、取り入れることができる
  • 多少非現実的でも、面白いアイデアを思いついたらやってみようと思える

とりあえずやってみよう!
そう言ってもらえたら嬉しいですよね。
挑戦することは成長につながります。

また、やってみたことを振り返り、
改善する点や方向転換の判断につなげることまでを考えながら取り組むと良いでしょう。

④新奇歓迎
より人に焦点をあてた因子です。
過去の常識にとらわれず、
それぞれの才能に合わせた最適な配置や
成果を最大化させる役割分担が行えるようになります。

  • 強みや個性を発揮することを歓迎されていると感じる
  • 常識にとらわれず、様々な視点を持ち込むことを歓迎される
  • 目立つことがリスクでないと思える

多様性の時代、それぞれの個性を活かしたマネジメントが必要です。
異物を排除するのではなく受け入れて、
チームが大切にしたい方向へと推進していくこと。誰もが心理的安全性を感じる職場にしたいですね。


以上、これら4つの因子がある(存在する)とき、
心理的安全性を感じられる」ということです。

リーダーはこの4つの因子にアプローチして
変革をもたらし、チームの心理的安全性を高めるのです。

心理的安全性が高い=ヌルい職場なのか?

ヌルい職場

心理的安全性という言葉で勘違いされやすいのが
ヌルい職場と思われることです。
たしかに、ゆる〜い職場ってこと?
と思うかもしれません。

ヌルい職場
クオリティの低い仕事でも怒られない、
納期やノルマも厳しくない職場。


つまり、心理的安全性は高いが仕事の基準は低い
といえます。

心理的安全性は高いので、
みんなが気軽に意見を言ったり協力したり、
楽しそうに仕事をするのですが、
仕事の基準が低いので、目標が達成できなくても「まぁこのくらいでいいか」
と妥協してしまいます。

これでは業績は上がりませんね。
いくら楽しい職場でも、会社が潰れてしまったら
元も子もありません。

ヌルい職場になってしまうのは、
心理的安全性のせいではなく
「仕事の基準が低いこと」が原因です。

さらに、
仕事は楽しいが充実感は感じられないので、
成長志向の人は転職を考えるかもしれません。

学習する職場

ここまでで、
どんな職場が一番良いのかわかってきました。

心理的安全性が高く、仕事の基準も高い
「学習して成長する職場」です。

この学習して成長する職場では、高い基準を保ち
成果に向けて鼓舞するため、次の4つが努力の源泉となります。モチベーションと言ってもいいでしょう。

学習して成長する職場
【サポート】
成果が出ない時にも、罰や不安ではなく相談に乗ってくれたり、アイデアをくれたりする
【意義】
チームプロジェクトとして大義や意味がある目標設定がされてあり、やりがいや成長が実感できる
【みかえり】
成果に至らなくとも、望ましい努力に対して承認や感謝を伝えてもらえたり、適切な行動を促してもらえたりする
【配置】
適材適所に配置されることで、自発的・自律的に努力できるようになる

このようなチームの中では、実は衝突が促進されます。逆に「非」安全な職場では衝突を避けるように調整していますが、健全な衝突はむしろ業績にプラスになるのです。

目的が同じであれば、そこに向かう過程でぶつかり合いながら進むのは健全なことですよね。

目指すべきは
社会の変化にうまく対応し、挑戦や実践から学び、結果として成果の出るチームです。

心理的安全性も仕事の基準もどちらも高い、
「学習して成長する職場」を目指していきたいですね!

銀色の世界

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12月の朝。
目覚めると外は真っ白な雪景色になっていた。
小さい頃のはなし。

故郷は雪国というほどではないが、
雪が積もるのは珍しいことではなかった。

雪だるまなんて数メートル転がせばすぐに作れるし、
かまくらや即席のすべりだいも。

凍った地面はスケートリンクのようによく滑り、
ほとんど歩くことなく学校へと向かう。

丸めた雪を投げ合いながら、教室に着く頃には手が悴んで感覚がない。
競うように石油ストーブに手をかざし、ゆっくりと手の感覚が戻ってくる。

木の下に近づいたところでその木を蹴れば、ドサっと雪が降ってくる。
そんな遊びをくり返す。

分厚い氷が張る川に、石を投げ込み割る遊び。
土手を滑るそりはジェットコースターのようなスリルとスピードで、
雪に飛び込んで見上げた空には無数に降る雪の結晶。
雪の絨毯に寝ころぶと、赤くなった頬に暖かさを感じる。

この街は多少の雪では電車が止まったりしない。
傘など邪魔なだけで、フードを被ってさらさらの雪をしのぐ。
白い息を吐きながら、ブーツでギュッギュッと道を作って歩いていく。

カーテンをあけるとそこは銀色の世界。
灯油の匂いと凍てつく空気。
刺すような寒さに感じる懐かしさ。

だから今でも冬は嫌いではない。

クリスマスには雪が似合う。

成長とは変化し続けること。

PDCAとは4つのサイクルであらゆる問題を解決するフレームワークのこと

  • Plan(計画)
  • Do(実行・実績)
  • Check(評価)
  • Action(改善策)

PDCAをうまく回すと目標は最短で達成できる。逆にPDCAのない目標達成は失敗する。

ビジネス本を読むようになったのは管理職になってからです。実はPDCAというワード自体を知らず、今まで意識してはいなかったのですが、もしかしたら自然とPDCAの考え方をしていたのかもしれないな、と思います。

ただ、「回す」ものだというのは新たな発見です。そうか、回さないとダメだよなと。

ビジネス本は、自分の考え方が一般的に合っているのか間違っているのか。それを確かめるのに役立ちます。
「こんな部下にはこう伝えろ」
「リーダーはいい人をやめろ」

など、本にはいろいろ書いてあります。ただ、今の環境に落とし込んだときに、自分のチームでうまくいくのかどうかはわかりません。

やってみようと考えて、実行する。
やってみた結果を評価して、改善する。

あぁ、これがPDCAなんだなと。

【目次】

人生で大切なことは「変化し続けること」

先日、職場環境について部下からこんな質問を受けました。

「これからどうしていきたいと思っているんですか?」

彼は30代で意識が高く、今の状況に停滞感と未来に対する危機感を感じているのです。

私は自分の思っていることを素直に答えました。

「チームのみんなが去年より今年、昨日より今日、何か自分に変化があって成長していること。そうなってほしいし、それを支援したい」

彼がどう受け止めたかはわかりませんが、この本に同じようなことが書いてあって安心しました。
自分の価値観や考えが合っているのか確認する。そのために私はビジネス本を読んでいるのです。

本当の気持ちはわからない

自信があるように見える上司やリーダーも、自分の価値観に不安を持っているのでしょうか?

決断することに迷ったり、間違えたりすることもあるでしょう。それは自分が部下の頃に上司に対してなんとなく感じていたことです。
そんな上司を助けたい、協力したいと思っていました。

決断力があってリーダーシップがある。リーダーとはそう見せなければいけない。責任がありますからね。そんなリーダーは理想的ですが、逆に言えば協力したいとは思いません。助ける必要がないのですから当然です。付いて行くだけです。

ただ、それでは部下は成長するでしょうか?

先頭を走るリーダーが道に迷えば、何も考えず付いてきた部下も道に迷ってしまいます。
リーダーがいなくなっても自走できるように部下が育つこと。それが大切なのではないかと思っています。

みんなが成長すること
成長するとは変化すること

それを伝えたいと思っているのは間違いではないのかなと。

人の本当の気持ちはわからないものです。
自分もほんとの本音は人に言っていないと思います。

でも、相手の気持ちを考えて伝えることで何か変化が起きるなら、

それは成長しているということですよね。

改善してまた計画する

失敗することもあるでしょう。
そしたらまた改善してプランを考える。
それが「PDCAを回す」ということです。

P:もっとブログをキレイに見やすくしたいな。
D:はてな記法で見出しを目次にしてみよう。
C:見た目をチェック。
A:次は色付けしたり画像を入れたりしてみよう。


自己PDCA回してます。

星渉の新刊が出ましたね

星渉さんの新刊が出ました。

まだ読んでいないので今回は『神メンタル』のほうです。

目的地は明確でなければならない

「あなたは1年後の今日、どうなっていたいですか?」

この問いに即答できないということは、自分がどこに向かっているのかをわかっていないということです。

 

目標設定を飛行機に例えたこの言葉はなるほどな、と思った。まず目的地を設定しなければそこに向かって飛べないですね。

ただなんとなく過ごしているのは、ただ飛んでいるだけ。どこにも到着しないわけです。

「北海道に行きたい」と目的地が明確だから、準備をして家を出て、電車に乗って空港に向かう。そして飛行機に乗るという手段がわかるのです。

自分はどこに向かっているか。

目的地が明確ならば手段は「自動的に」見つかるもの。

 

そうですね。だからこうして書いているのです。

 

新刊のタイトルは?

 『神トーーーク』に続く新刊は

 

『神モチベーション』

 

楽しみです!


『読みたいことを、書けばいい。』

タイトルで手に取った本です。

 

序章  なんのために書いたか

第1章 なにを書くのか

第2章 だれに書くのか

第3章 どう書くのか

第4章 なぜ書くのか

 

田中泰延という人はこの本で初めて知りましたが、何者なのか。冒頭から他の人とはちょっと違うぞ、と感じて著者のことが気になります。

 

名前はひろのぶと読む。

電通のコピーライターを24年。

46歳で退社しフリーのライターとなった。

 

なるほど、どうりで。

本物の人は数ページで心をグッと掴んできますね。

 

“この本は書くためのテクニックを教えるものではない。書くための考え方を示す本である”

 

世間によくある「文章力向上72のステップ」などの本は “いつまでステップしてるのか” と言い、“文章にテクニックは必要ない” と言う。

 

“自分が読みたいことを書けば、自分が楽しい“

 

だれかのために書くのではない。「自分のために書く」という方針を定めた、と断言している。

 

たしかに。自分が読んで面白くないものは誰が読んでも面白いわけがないですね。

 

とにかく他の文章術の本とは真逆のことを言っている。それでも圧倒的な説得力を持つ文章なのは、文章術の基本など、とうの昔に身に付いているからだろう。

 

少ない文字でどれだけ伝えられるか。

無駄な言葉は削ぎ落とし、シンプルな言葉で伝えること。広告やCMは短い時間で人の心を動かさなければならない。

だから自分の心が動かなければ誰の心も動かない、というのを熟知しているのだなと納得。

 

シンプルな見出しに少ない文字数。読んでいて楽しいと思わせる独特な文章と合間の文章術コラムの対比が絶妙です。

自分のために書いている、とは言うものの、合間に差し込まれる文章術コラムは、しっかり誰かのために書いてますよね?ありがとうございます。

 

“自発的に書きたいと思ったことは一度もない”

と言うものの、後半は書くことへの愛が溢れてます。「熱」が伝わり、ちゃんと心動かされました。

 

出合えて良かった本です。

 

「自由にはたらく」を知った、夏。

27歳の頃、離島のリゾートホテルで半年ほど働いていたことがあります。

そこで初めて「自由にはたらくこと」を知った、という話です。

ふつうの会社員だった私は、会社を辞めて転職までのつなぎの期間として、半分旅行気分で離島に飛びました。いわゆるリゾートバイトです。

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愉快な仲間たち

小さな空港に到着すると、生暖かい風、青い空、海、フェニックスロベ(ヤシの木)が並ぶ大通り。まさに南国リゾート!

非日常の世界へやって来ました。

同じように考える人はいるもので、同年代の若者たちが次から次へとやって来るわけです。その時期は15人ほどいて、男女比は6:4くらいだったと思います。

島を案内してもらったり、サプライズで誕生会を開いてくれたり。ちょっとノリに戸惑いつつも、すぐに仲間になりました。

住み込みの長期バイトで、みんなで同じ寮に寝泊まりしながら働くわけです。なんだか楽しそうですよね。

都会とのギャップで非日常感もあって、お金を稼ぎながら長期の旅行に来ているようなもの。

これは楽しくなりそうだ。

と思っていました……

 

自由にはたらく!

仕事内容はレストランでのサービス(配膳)でした。ちなみに飲食業の経験はありません。

まぁなんとかなるか、と軽く考えていました。

 

1日の流れは、

朝6時から宿泊客の朝食準備。

10時から16時まで中抜けでフリー。

また16時から20時まで夕食対応。

忙しさはお客様の人数によるという感じです。

 

昼の中抜け時間はカフェでゆっくりしたり、海に出掛けて釣りをしたり。

朝の仕事前にサーフィンをして、昼にサーフィンしてまた仕事する、というハードスケジュールをなんなくこなす強者も。

夜は焚き火を囲んでお酒を飲んだり、浜辺で花火をしたり。満天の星を見ながら語らったり。

 

自由にはたらくとはこういうこと!

好きなことを好きなだけやって、お金も稼げて、

自由ってサイコー!

 

 

……と思いますよね。

いやいや、これはまだ6月初めの話し。

 

ここから地獄の繁忙期が待っていました。

 

2ヶ月でただの日常

この時期はみんな必死です。

表では笑顔で接客し、裏では汗だくで走り回って、とにかく毎日忙しい!

仕事が終わってぐったりして帰り、また早朝から仕事……みんなイライラしているので人間関係もギスギスしてきます。

さらに、繁忙期は月に1日も休みがありません。

リゾートで働く現実を見せられた気分に……

旅行に来ているのではなく生活をしているんだと思い知らされました。

 

正直つらい!もう帰りたい!

と思いましたよ。

 

刺激的だった非日常も、慣れるとただの日常になります。

田舎暮らしに憧れるのは良いけれど、そこに住んでいる人にとっては普通の日常です。

2泊3日の旅行ではなく、そこに住んで働くということは、2か月も経てば自由も何もただの日常になるのだなと痛感しました。

 

「非日常」だからこそ刺激的で楽しいもの。

旅行気分なんて、完全に考えが甘かったです。

 

仕事を任される

そんなある日のこと。

ここからが「自由にはたらく」の話です。

 

夏になると、ホテル内のレストランやお座敷に加えて、屋外のガーデンテラスでバーベキューが出来るプランが始まります。(私たちはさらにキツくなります)

私はそのガーデンテラスの仕切りを任されたのです。

「ガーデンはお前に任せる」

そう言われました。

丸投げと言ってもいいでしょう。

 

「ど、どうすればいいんですか⁉︎」

「テーブルとパラソルはあるから」

「炭とか網とかは⁉︎」

「必要なものは買っていいから」

「えぇ⁉︎そこからやるんですか?」

「任せるから自由にやってみろ」

「いつオープンですか?」

「2週間後だ」

「えぇ⁉︎」

 

と、こんな感じで自由を与えられたわけです。

 

もちろん、飲食業も未経験、リーダーにもなったことがない。

どうすればいいんだよ!

と思いました。

 

湧いてくる責任感

ただ、仕事を全面的に任されるというのは初めての経験です。

人は役割を与えられると責任感が湧いてくるものですね。やるしかないじゃん、という感じでモチベーションは上がっていました。

何からやろうか……と考えて、

まずは1年間ほったらかしで物置きと化したパントリーの掃除を始めたのでした。とりあえずキッチン周りを使えるようにしないといけません。

朝の仕事が終わって、中抜けの時間に独りでせっせと掃除。いつ何をやるかも自由ですからね。

もちろん1日では終わらず、次の日も作業です。

暑いし疲れるし、汗だくになりながらの作業ですが、不思議とこんな気持ちでした。

 

「なんか楽しい」

 

目的を達成するために、いつ何をどうやっていつまでにやるか、すべて自分の裁量で決めていい。

プレッシャーと同時に楽しさを感じ始めていました。

 

そうして独りでやる気になっていると、誰かが必ず見ているんですね。

1人、2人と手伝いに来てくれるようになり、わからないことは素直に聞けば、みんなが協力してくれました。

おかげでなんとかオープンまでに形にすることができ、ひと安心です。

 

はたらく目的

お客様が入り出すと今までどおり鬼のように忙しいのですが、そのときの私はこう思っていました。

 

「もっと楽しんでもらうにはどうすれば良いだろう」

 

自分のことよりも、お客様のことを考えるようになっていたのです。もっと良いサービスをしたいとアイデアを練ったり、イイ感じの曲をかけたいと曲を選んだり。

お客様に満足してもらうことが目的で、そのための手段を自由に考えること。それがとても楽しかったのを憶えています。

「あの時かかっていた曲はなんていう曲ですか?」と問い合わせが来たのは嬉しかったですね。

 

自由にはたらく

自由(フリー)にはたらくというのは、

何をしてもいいように見えて、実は責任が大きくなっている。「やるべきこと(目的)がより明確になっている状態」ではないかと思うのです。

 

あの夏、あの場所でそのことを知った

という話です。

 

 

#フリーにはたらく